2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791585
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
南場 淳司 Hirosaki University, 医学部附属病院, 助教 (50361027)
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Keywords | GJB2 / 難聴 / 保因率 |
Research Abstract |
先天性高度難聴児は、約1000人に1人の割合で生まれると考えられており、他の先天性疾患と比較しても頻度の高い疾患である。近年の技術革新により、従来原因不明とされてきた難聴も、原因遺伝子が多数発見されてきており、先天性難聴の少なくとも半数は遺伝子が関与していると推測されている。また、その難聴それぞれについて、遺伝学的特徴や臨床における特異的な経過が知られるようになり、一部では既に遺伝子診断やカウンセリングなどが開始されている。 遺伝子の関与する先天性難聴のうち、約7割が非症候群性難聴であるが、その大多数は劣性遺伝形式を取ることが知られている(75~85%)。劣性遺伝形式をとる非症候群性難聴の約半数の原因遺伝子はGJB2であり、日本人家系でも高頻度に同定されている。GJB2変異による難聴は中等度~高度難聴を呈し、幼少時より補聴器の装用を必要とすることが多く、最高度難聴児においては人工内耳の装用が有効であるとされている。 しかしこれまで、病院を受診した症例を対象とした遺伝子疾患の保因率の報告や遺伝性難聴の報告は散見されるが、一般人口を対象とした大規模研究において聴力と遺伝子変異との関連を調査した報告は極めて少ない。 平成21年5月31日から6月8日の9日間において、弘前市岩木地区住民を対象とした岩木健康増進プロジェクト健診を実施した。参加者全員に対して遺伝子検査の説明を行い、遺伝子抽出のための採血に同意を得られた832名から採血を行い、そのすべての症例に対して純音聴力検査を行った。採血した全血2mlからDNAを抽出した。
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