2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791585
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
南場 淳司 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (50361027)
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Keywords | GJB2 / 大規模研究 / 発生率 |
Research Abstract |
先天性高度難聴児は、約1000人に1人の割合で生まれると考えられており、劣性遺伝形式をとる非症候群性難聴の約半数の原因遺伝子はGJB2であり、日本人家系でも高頻度に同定されている。 今回我々は、一般人口を対象とした大規模研究において聴力と遺伝子変異との関連を調査した。 平成21年5月31日から6月8日に岩木健康増進プロジェクト健診を実施し、参加者832名から採血を行い、さらに純音聴力検査を行った。 遺伝子解析の終了した358例では9種類の変異が32例(8.94%)で認められ、その32例すべてが保因者であり発症者はいなかった。聴力検査でも32例に中~高度難聴者は認めなかった。 V37I:12例(3.35%)、235delC:5例(1.4%)、T123N:5例(1.4%)、G45E:2例(0.56%)、I71T:2例(0.56%)、Y136X:2例(0.56%)、F191L:2例(0.56%)、A49V:1例(0.28%)、F106L:1例(0.28%) 今回確認された変異の一つであるF106Lはこれまで報告のない変異であり、遺伝的多型か病因となる変異であるかは今のところ判断できない。 この結果を総合すると発生率は約0.8%と考えられ、10000人あたり8人と考えられた。予想された発生率よりも高いと考えられ、地域における傾向と考えた。
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