2010 Fiscal Year Annual Research Report
TS遺伝子抑制による頭頸部腺様嚢胞癌の抗癌剤感受性の獲得
Project/Area Number |
21791586
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
白崎 隆 弘前大学, 医学部附属病院, 医員 (20419980)
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Keywords | 腺様嚢胞癌 / TS遺伝 / siRNA / 5-FU |
Research Abstract |
腺様嚢胞癌は、抗癌剤や放射線治療に抵抗性であり、予後は不良である。TSが高発現していると、化学療法に抵抗性であるといわれている。そのため本研究ではTSをsiRNAによりknock downさせ、抗癌剤に抵抗性である頭頸部腺様嚢胞癌に抗癌剤感受性を獲得させる。それによって、頭頸部腺様嚢胞癌の診療成績を向上させることができると考えている。頭頸部腺様嚢胞癌由来細胞株に対してsiRNAを用いてTS遺伝子の発現をknock downさせ、そのRNAサンプルを用いてcDNAマイクロアレイを行った。siRNA導入によってTS遺伝子がもっとも抑制されていた。細胞周期調節因子やアポトーシス関連因子の遺伝子発現の変化も認めたが、なぜアポトーシスが誘導されているのにsubG1期ではなくS期での停止なのかを明らかにするまでには至らなかった。また、ヌードマウスに頭頸部腺様嚢胞癌由来細胞株を生着させた上で、TSを標的とするsiRNAを腫瘍に局注したところ、TSを抑制した群では、腫瘍体積の増加が抑制されており、有意に腫瘍の増殖を抑制することがin vivoでも示された。また、TUNEL法による解析では、TSを抑制した群では、有意にアポトーシスが誘導されていることが判明した。頭頸部腺様嚢胞癌由来細胞株において、TS遺伝子のsiRNA導入によるTSmRNAのknock downを行い、その上で5-FUを作用させた。cell viabilityをsiRNA単独群、5-FU単独群、siRNA+5-FU群で比較したが、siRNA単独群、5-FU単独群と、siRNA+5-FU群では有意差が認められなかった。
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