2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイを用いたシスプラチン耐性に関わるマイクロRNA発現異常解析
Project/Area Number |
21791588
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 武則 東北大学, 病院, 助教 (50375060)
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Keywords | 癌 / マイクロアレイ / 薬剤応答性 |
Research Abstract |
本研究は期間内に頭頸部癌化学療法において中心的薬剤である、シスプラチン耐性化機序の解明の為、頭頸部癌細胞株、また申請者が人為的に作成したシスプラチン耐性変異株において、マイクロRNAアレイを施行し、CDDP耐性獲得機序として、網羅的mRNA発現のほかにマイクロRNAの関与も含めた総合的な検討を行い、さらにはRNA発現の制御を行ったうえでのCDDP耐性解除の研究を行うことを目的としている。昨年度は、頭頸部扁平上皮癌シスプラチン耐性変異株の作成の上、シスプラチン感受性予測遺伝子の同定、獲得耐性候補遺伝子としてのIGF2の抽出とその解析を行った。本年はさらに以下の如くの研究の成果であった。 1、IGF2(insulin like growth factor2)がシスプラチン獲得耐性に関与していることを初めて報告した(別掲)。 2、マイクロRNAアレイ解析を行い、2倍以上の発現比をもって変化しているマイクロRNAを93個同定し、その内、特徴的な発現変化を認めた、miR34a、miR124を解析した。まず、定量PCR法にて、マイクロアレイデータを検証し、差がないことを確認した。次に、マイクロRNA導入を行い、シスプラチン応答性の変化を確認した。さらに、臨床検体を用い、miR34aの発現変化とシスプラチン化学療法の効果、予後を検討した。これらの研究結果より、miR34aは頭頸部癌におけるシスプラチン化学療法の予後因子となりうることを発見した。 これらの研究結果は、現在論文作成中である。
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