2011 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部癌における分子標的薬治療の検査確立を目指した遺伝子解析
Project/Area Number |
21791596
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蝦原 康宏 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50422291)
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Keywords | 頭頸部外科学 / 頭頸部腫瘍 / 頭頸部癌 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
東京大学耳鼻咽喉科の頭頸部腫瘍患者より、100症例が集積され、70症例が解析された。その中で頭頚部扁平上皮癌を対象に遺伝子解析を行った。TP53、EGFR、K-ras、ALKのDNA変異はPCR直接塩基配列決定法にて検索した。対象exonはTP53がexon5-9、EGFRがexon18-21、K-rasがexon1-2、ALKがexon20-25であり、各遺伝子のこれまでの報告における変異のhot spotを含む。EGFR variant type IIIとEIML4-ALKfusion geneの検出はcDNAを鋳型とするRT-PCR法にて行った。これまでのところEGFR、ALK、の遺伝子変異は認められなかった。Krasの変異は2例に認め、分子標的薬であるcetuximabの治療が今後本邦頭頸部扁平上皮癌で導入された際に、治療抵抗性との関連性を調べる上で、Kras変異も解析の必要性がある重要な因子と考えられた。 頭頸部扁平上皮癌においてTP53の変異は45%に認めた。変異スペクトラムはナンセンス変異が40%と有意に多い結果となり、日本人頭頸部扁平上皮癌特有の因子の可能性が考えられた。頭頸部扁平上皮癌ではこれらナンセンス変異を含めたnull type変異に対して、今後予後因子として注意する必要性が考えられる。臨床症例の生存率、局所制御率について解析を続けているが、現時点では有意な差は現れていない。この点について、学会発表と和文論文による投稿を行い、掲載された。EGFR variant type IIIとEML4-ALKfusion geneの検出はこれまでのところ認められていない。
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Research Products
(1 results)