2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的アプローチによる加齢性嗅覚障害のメカニズム解明及び治療法の開発
Project/Area Number |
21791599
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴川 佳吾 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (50447398)
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Keywords | 嗅覚 / 老化 / 抗酸化 / 抗加齢 / 分子生物学 |
Research Abstract |
においの末梢受容器である嗅上皮は嗅神経が再生を繰り返しその恒常性を保っているユニークな組織としてしられている。その再生は生涯持続するとされているが、その恒常性が生涯同じように保たれるわけではない。嗅覚に影響を与える因子の一つに加齢変化があるが、加齢変化が嗅上皮の傷害因子に対する反応性や傷害後の再生能に与える影響についてその詳細なメカニズムは明らかでなく、その治療法も開発されていない。今回我々は、この加齢性嗅覚障害における分子生物学的メカニズム解明および、それに基づいた加齢性嗅覚障害の治療法開発を行うべき研究を行っている。 (1)加齢に関連するとされているリポフスチンの沈着が嗅上皮支持細胞に主に起こり、これは年齢が進むにつれて顕著になることを示した。 (2)加齢動物の作成をおこなっている。2-3ヵ月マウスを購入し、現在16ヵ月齢を目指して飼育中である。 (3)カロリー制限モデルマウスの作成。3か月マウスを購入し、カロリー制限群およびコントロール群に割り振り、約70%のカロリー制限を行い、現在10ヵ月齢目指して飼育中である。10ヵ月齢になった時点で種々の検討を行う。 (4)カロリー制限の上皮傷害に対する影響の検討。化学的傷害を与える場合、カロリー制限による酸価ストレスのコントロールが、傷害の程度にどのように影響するか検討した。カロリー制限群(6か月)およびコントロール群を用い、嗅上皮傷害物質メチマゾールを投与し、その鼻粘膜組織切片を作成、現在検討中である。 以上を22年度・23年度の実験につなげる。
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Research Products
(2 results)