2009 Fiscal Year Annual Research Report
前庭神経節直接刺激型の人工前庭開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21791600
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牛尾 宗貴 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (70361483)
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Keywords | 前庭 / 人工臓器 / 半規管 / 前庭神経節 / サーチコイル |
Research Abstract |
まずは、ビデオ記録装置を構築し、動物の眼球運動を記録できるシステムを構築した。本システムでは眼球の回旋は検知できないが、XY方向の眼球運動を精確に記録できる。眼球の瞳孔と強膜のコントラストを判断して眼球運動を判定する仕組みであるが、モルモットならびにチンチラに最適化した条件で設定した。本システムはHi8対応であるため信号をデジタル処理できないという問題がある。このため、今後はデジタルカメラ対応のシステムを構築し、現在は少々難しい眼球運動と電気刺激自体の同時記録ができるようにする必要があると考えられる。 次に、人工前庭で想定される刺激を創出するシステムを構築した。システムは刺激機、アンプ、制御ソフト、非常に微小な針電極で構成されており、刺激の強度ならびに形を自在にコントロールすることができる。現在、最適な刺激条件を探るべくシステムを調整している段階である。刺激の強度ならびに形は、過去の論文で示されている前庭神経節細胞から記録されたデータを参考に作成するが、おそらくは人工前庭に最適な条件が存在するものと考えられる。 一方、対象となる動物に対する手術法もほぼ確立しつつある。まず、両側末梢前庭機能廃絶モデル動物は両側迷路破壊術により作成している。この手技は確立したものであり、ほぼ問題なく施行できる。一方、前庭神経節へのアプローチには前頭側頭開頭を用いる。側頭骨上面を明視下におき、顕微鏡下で前庭神経節に電極を刺入するのだが、本操作にはさらなる習熟を要すると考えている。現在はダミー電極を用いて実際に刺入を試みており、毎回確実に成功するようになった段階で実際の電極を刺入する予定である。
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