2010 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胎児耳胞への遺伝子導入による遺伝性難聴(コネキシン30)の治療法開発
Project/Area Number |
21791623
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三輪 徹 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (70535591)
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Keywords | 胎生期内耳 / 遺伝子導入 / 蛋白導入 / コネキシン30 / エレクトロポレーション |
Research Abstract |
先天性難聴には様々な要因があるが、そのうち50%程度は遺伝性難聴によるものと言われている。遺伝性難聴の治療法は未だ存在せず、現在存在するのは人工内耳による代償治療のみである。根本的な治療としては、遺伝子導入による治療法が検討されている。本研究では「胎生期内耳(耳胞)へ正常な遺伝子を導入することにより、遺伝子欠失による難聴の発現は抑制可能である」という仮説を立て、このことをヒトの遺伝子難聴モデルであるコネキシン30(Cx30)ノックアウトマウスを用いて検証することを目的としている。方法としては、キシラジン、ケタミンにてマウスを全身麻酔後、開腹を行い胎児を子宮とともに体外へ露出し、下方よりファイバー光源で照らしながら耳胞を確認し、ガラス管をつないだシリコンチューブを用いてプラスミドを注入する。遺伝子導入法として様々な方法があるが2008年にGubblesらが正常マウスの胎生期内耳ヘエレクトロポレーション法を用いて、Atoh1遺伝子を導入し、機能を持った有毛細胞が新生したと報告した。我々も、エレクトロポレーション法により胎生期内耳への遺伝子導入を試み、遺伝子治療を目指している。 我々は現在までに、正常マウスの胎生期内耳へGFP遺伝子を導入することに成功し、同胎児が成熟した際に、内耳において形態的・機能的異常が発現しないことをサーフェスプレパレーション、聴性脳幹反応(ABR)を用いて確認した。また、既にCx30プラスミドを作製し、凍結胚より作出したCx30ノックアウトマウスの産子にも成功している。今後、Cx30ノックアウトマウスが難聴マウスであることをABRを用いて確認し、同マウスに正常Cx30遺伝子を導入し、これにより形態的・機能的異常の発現が抑制されるかどうかを検討する。
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Research Products
(1 results)