2009 Fiscal Year Annual Research Report
手術時における脂肪組織含有細胞群の回収方法と移植法の開発
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21791631
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 輝久 Fukushima Medical University, 医学部, 博士研究員 (80508812)
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Keywords | 脂肪組織由来細胞 / 多分化能 |
Research Abstract |
従来,再生医療では主に骨髄由来の幹細胞が注目され利用されてきたが,その採取には骨穿刺など患者に危険や侵襲を伴い,得られる細胞数も限られていた。それに対し,脂肪由来の幹細胞は,手術で本来捨てられる際の脂肪組織からも採取でき,また,治療に必要となる十分な細胞数を得ることが可能である。容易に細胞採取が可能であり,また,自家移植であるため,倫理的な問題も少なく安全性からも有利な点が多い。平成21年度,我々は説明と同意の上で,実際にヒトの手術標本から不要となった脂肪組織を採取した。採取した脂肪組織はコラゲナーゼ処理して分解し,脂肪組織由来の細胞群を採取することが可能であった。また,この細胞群の培養を行った。その結果7例中5例での培養が可能であった。安定した採取,培養技術を確立した上で,得られた脂肪由来の培養細胞に対し,その細胞の特性に関して,フローサイトメトリーを用いて調べた。間葉系幹細胞に関連した細胞表面マーカーであるCD90,CD105の発現率を調べた結果,CD90,CD105の発現率が83.3%,65.6%となり,得られた細胞が幹細胞の性質を有している可能性が高いことを確認することができた。現在,この培養細胞を,分化誘導培地を用いて,脂肪細胞,軟骨細胞への誘導分化を進行させている。今後はこの結果を踏まえ,気管の再生などの臨床応用を想定した即時移植に対応していくために,採取直後での脂肪組織由来細胞の多分化能を確認し,効率的な回収方法にっき研究を進めていく予定である。
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