2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791642
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山下 大介 Kobe University, 医学部附属病院, 助教 (60306785)
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Keywords | 感音難聴 / アポトーシス / 再生 |
Research Abstract |
本年度(平成21年)は、これまでに確立した音響外傷性難聴モデル動物を用いて研究を発展させた。具体的には、MRIの造影剤である超常磁性体酸化鉄(super paramagnetic iron oxide : SPIO)を用いて、移植細胞の生体内動態モニタリングの検討を行った。SPIOを取り込ませた骨髄由来間葉系幹細胞を音響外傷モデル動物(ハートレー系モルモット:8週齢、体重約300g、音響曝露条件:120dB SPL、4kHz OBN、5時間)の内耳に移植した。次に内耳への移植細胞の同定を、1.5TのMRI(General Electric Medical Systems, Milwaukee, WI, USA)を用いて行った。撮影条件は, FIESTA (Fast Imaging Employing Steady State Acquisition)と設定した。この条件は、高い磁場の均一性と短いTRで位相のずれであるアーチファクトの発生を抑え、高いSNR(信号雑音比)を得ることができるものである。撮影体位は腹臥位とし、蝸牛を長軸方向でスライスした軸位断と短軸方向でスライスした冠状断にて検討を行った。結果は、移植後4週目まで低信号として描出可能であった。最後にMRI撮影後、深麻酔下に蝸牛を摘出しHE染色にて移植細胞の評価を行った。結果として、移植細胞が蝸牛内の種々の部位に生着していることが確認された。この成果は日本耳科学会、Association for Research in Otolaryngologyにて報告した。次年度(平成22年度)はこれらの結果を踏まえ、さらに詳細な内耳細胞内のシグナル伝達機構を解明し、新たな感音難聴への治療法の開発に向けた試みを行う予定である。
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Research Products
(6 results)