2009 Fiscal Year Annual Research Report
新しい外リンパ瘻診断マーカーCTPの時空間的発現の検討
Project/Area Number |
21791651
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
新藤 晋 Nippon Medical School, 医学部, 助教 (00350067)
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Keywords | 内耳 / 外リンパ / CTP / western blot |
Research Abstract |
我々が発見した、cochlinのアイソフォームの一つCTP(cochlin-tomoprotein)は、外リンパに特異的に発現しており、陽性コントロール(アブミ骨手術におけるアブミ骨底板開窓時の外リンパ)の感度、特異度は、共に100%近い値を示すことから、外リンパ瘻の診断マーカーとして臨床応用が期待されている注目の蛋白である。しかしながら、CTPの基礎的研究はほとんど行なわれておらず、CTPが実際どのように存在し、どのような機能を持った蛋白など、詳細は不明である。研究は内耳の未熟な時期から、成熟する過程におけるCTPの発現パターンを解析する予定である。これをCTPの発現パターンが良く知られているヒトで行うことは、胎生期の外リンパをサンプルとしなければならなくなるため困難である。このため、実験動物として我々が普段から用いているラットを使用して検討を進めていくにあたり、ヒト外リンパに含まれているCTPがラットにおいて同様の発現パターンを示すかを確認する目的で平成21年度の研究を計画した。平成21年度は、ヒトとラットのCTPの発現パターンの差異を調査する目的で、ヒトと成獣ラットの外リンパをそれぞれ用いてウェスタンブロットを行い、発現パターンの差異の解析を行なった。すると、ラット成獣外リンパにおいて、ヒト外リンパ同じく16k Da付近にシグナルを認めることが明らかとなった。 以上の結果より、ラット外リンパはヒトと同じくCTPと思われるバンドを持つことが明らかとなった。このため、予定通りラットを用いて次の研究段階を進める予定である
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