2009 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌における抗癌剤感受性と癌幹細胞の治療法開発
Project/Area Number |
21791660
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 秀典 Nagoya University, 医学部附属病院, 医員 (70470169)
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Keywords | 頭頸部癌 / 治療抵抗性 / FDG-PET / 癌幹細胞 / Sox2 / 抗癌剤感受性試験 |
Research Abstract |
本研究の目的である頭頸部癌における治療抵抗性症例の新たな治療法開発のために、まず治療抵抗性症例の予測や、その特徴をとらえるために、頭頸部癌症例の予後因子として報告のある18F-2-fluorodeoxyglucose-positron emission tomography (FDG-PET)によって診断された糖代謝能亢進症例が治療抵抗性であることを検討した。そこでFDG-PETによって診断された糖代謝能亢進症例が治療抵抗性である事を、臨床学的や病理学的さらに生物学的にアポトーシスの関連の深いBc1-2発現と関連があることなどをTumor thickness, depth of invasion, and Bcl-2 expression are correlated with FDG-uptake in oral squamous cell carcinomas Oral Oncology 45 (2009) 891-897として英文誌に報告した。その意義は、FDG-PETが治療抵抗性症例の予測に有用であることを証明し、頭頸部癌における治療抵抗性の根幹に糖代謝能の亢進があるという重要性を報告したものである。 次に、頭頸部癌の治療抵抗性の根幹をなすと考えられる頭頸部癌細胞の特徴を把握するために、ips細胞作成のために必要な因子であるSOX2の頭頸部癌における意義につき、頭頸部癌由来の培養細胞を使い、SOX2による転写因子や転移浸潤能への関与などを第61回日本気管食道科学会総会において「前腸発生に深く関与する転写因子Sox2の頭頸部癌における意義」として口演発表した。 また、研究目的である治療抵抗性症例の新たな治療法開発に対して、名古屋大学医学部付属病院において頭頸部癌の癌幹細胞の樹立とその治療法開発を研究課題として、検体提供とその使用に関して倫理委員会において研究計画書を審査中であり、in vitroでの抗癌剤感受性試験の実験系を確立している。
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Research Products
(2 results)