2009 Fiscal Year Annual Research Report
チャネルロドプシン2をON型双極細胞に発現させた遺伝盲ラットの視覚機能
Project/Area Number |
21791664
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 江里子 Tohoku University, 国際高等研究教育機構, 助教 (70375210)
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Keywords | 神経再生 / 網膜 / 遺伝子導入 / ウイルス / プロモーター |
Research Abstract |
本研究では、網膜で最初に外部情報を受け取る視細胞が変性し、失明を来たした疾患に対し、「残存する神経細胞に光受容能を賦与する」という全く新しい方法で視覚を再生することを目的としている。この方法では残存する神経細胞に光受容能が賦与されるため、既存の神経ネットワークをそのまま利用することができる。しかしながら、現在の遺伝子導入方法では遺伝子導入のターゲットである網膜神経節細胞(RGCs)全てのタイプに遺伝子が導入されてしまい、サブタイプの特性を無視した応答になる可能性がある。そこで、ON型双極細胞に着目した。この細胞は、RGCのON-cellに興奮を伝えている。従って、ON型双極細胞に遺伝子導入を行えば、RGCのON-cellのみに出力を与える事ができる。本研究では、ON型双極細胞特異的に発現させるプロモーターについて検討する。 本年度はチャネルロドプシン2(ChR2)をON型双極細胞に特異的に発現させるため、特異的なプロモーターである代謝型グルタミン酸レセプター6(Glu6)プロモーターを用いたアデノ随伴ウイルスベクター(pAAV-Glu6-ChR2)を作製した。このウイルスベクターを視細胞変性ラット(RCSラット)の硝子体内に投与し、投与後眼球を摘出して網膜伸展標本を作製した。その結果、ChR2がON型双極細胞に導入されている事が分かったが、その発現効率はかなり低いものであった。また、このラットについては、網膜での光受容に対する脳視覚野での電位変化(脳視覚誘発電位:VEP)を記録する事ができなかった。これは、機能するに十分な数の光受容が可能なON型細胞が得られなかった為と考えられた。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Visual Properties of Transgenic Rats Harboring the Channelrhodopsin-2 Gene Regulated by the Thy-1.2 Promoter2009
Author(s)
Tomita H, Sugano E, Fukazawa Y, Isago H, Sugiyama Y, Hiroi T, Ishizuka T, Mushiake H, Kato M, Hirabayash M, Shigemoto R, Yawo H, Tamai M
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Journal Title
Peer Reviewed
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[Presentation] Visual Function of Wild Type and Channelrhodopsin-2 Transgenic Rats2009
Author(s)
E.Sugano, H.Tomita, H.Isago, H.Yawo, Y.Fukazawa, R.Shigemoto, T.Hiroi, M.Kato, M.Hirabayashi, M.Tamai
Organizer
2009 ARVO annual meeting
Place of Presentation
Convention Center, Fortlauderdale, FL, U.S.A
Year and Date
2009-05-03
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