2010 Fiscal Year Annual Research Report
N-cadherinを介した角膜上皮幹細胞維持機構の解明
Project/Area Number |
21791665
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 竜平 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70535278)
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Keywords | 角膜上皮 / 角膜上皮幹細胞 / 幹細胞ニッチ / N-cadherin / 細胞間接着 / コロニーアッセイ |
Research Abstract |
これまでに、N-cadherin中和抗体の添加による上皮前駆細胞コロニーの形成率に及ぼす影響は認められていない。そこで今回、角膜上皮前駆細胞播種後のN-cadherin発現について、免疫染色により検討を行ったところ、播種直後にはN-cadherin陽性細胞クラスターが認められるものの、播種2日後には発現は完全に消失していることが明らかとなった。コロニーアッセイにおいて中和抗体が影響を及ぼさなかった原因として、培養1-2日間の間に上皮幹細胞自体のN-cadherin発現がdown-regulateされることが考えられた。そこで、今後は上皮細胞自身のN-cadherin発現の維持についても評価項目として検討することとした。これまでに、メラノサイトを角膜輪部上皮より単離・純化することに成功しているため、次に、輪部由来メラノサイトをフィーダー細胞に用いた、コロニーアッセイを実施した。最初に輪部メラノサイトのN-cadherin発現をFACSで検証したところ、約30-60%程度の細胞でN-cadherinが陽性であることが明らかとなった。次に、メラノサイトをMMC処理しフィーダー細胞として用いてコロニーアッセイを行った。その結果、メラノサイト上では殆ど輪部上皮コロニーが形成されなかった。メラノサイトの液性因子か細胞接着のいずれが、コロニー形成率の低下に寄与したかを検討するために、インサートを用いて、液性因子、細胞接着成分を分離して解析を行った。その結果、メラノサイト培養上清と上皮培地を混合した場合に最もコロニー形成率およびコロニーサイズが大きいことが明らかとなった。しかし、一方でこの培養条件でも、N-cadherin発現の維持は認められなかった。以上の結果より、少なくともコロニー形成においてはメラノサイトの液性因子の促進効果を有することが明らかとなった。
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Research Products
(11 results)