2010 Fiscal Year Annual Research Report
角膜血管新生、リンパ管新生におけるアンジオポエチン様因子の役割
Project/Area Number |
21791670
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
臼井 智彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (80282557)
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Keywords | 角膜 / 血管新生 / 炎症 / リンパ管新生 |
Research Abstract |
本年度(平成22年度)は、まずK14-Angptl2 miceの解析を行った。K14-Angptl2 miceはK14プロモーター下にangptl2が矯正発現するマウスである。この動物に炎症を惹起し、角膜血管新生、リンパ管新生を誘導し、バックグラウンドマウスと比較検討した。血管新生誘導には糸かけモデルを用いた。するとK14-Angptl2 miceではコントロールマウスに比較して血管新生、リンパ管新生ともに多く誘導された。そしてK14-Angptl2 miceの角膜ではVEGF-A,VEGF-C,MCP-1,F4/80などの炎症性サイトカイン、血管新生促進因子、リンパ管新生促進因子の発現がコントロールマウスと比較して亢進していた。次にAngpt2ノックアウトマウスの解析も行った。同様に血管新生を角膜に誘導すると、ノックアウトマウスにおける角膜血管新生、リンパ管新生はコントロールマウスと比較して顕著に減弱していた。そしてAngptl2ノックアウトマウスの角膜ではコントロールマウスと比較して、VEGF-A,VEGF-C,MCP-1,F4/80の発現が減弱していた。以上より角膜血管新生過程においてAngptl2は促進的に機能することが示された。今後Angptl2の発現制御により、角膜血管新生やリンパ管新生を抑制し、角膜透明性維持や角膜移植後拒絶反応の治療ができる可能性を示唆すると考えられる。
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Research Products
(1 results)