2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791671
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高瀬 博 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (20451940)
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Keywords | 熱ショック蛋白 / 眼免疫 / 眼内液 / ぶどう膜炎 |
Research Abstract |
熱ショック蛋白は細胞内での分子シャペロンとしての作用に加え、細胞外に分泌されシグナル分子として細胞表面に結合し、免疫調節作用を持つ事が示唆されている。また、いくつかの熱ショック蛋白は、眼内組織に構成的に発現している。本研究は、眼内組織に接する眼内液(前房水、硝子体)に分泌される各種の熱ショック蛋白の発現の有無と、その眼内浸潤細胞に対する影響を解析し、眼内炎症における熱ショック蛋白の作用を調べる事を目的として、以下の研究を行った。インフォームドコンセントを得て感染病原体検索および治療目的で白内障またはぶどう膜炎患者眼内液(前房水、硝子体液)を採取し、遠心分離して得られた液性成分は凍結保存した。ぶどう膜炎患者の眼内液中の細胞成分からは限界希釈法を用いてT細胞クローンを樹立し、以後の実験の標的細胞として用いる事とした。白内障患者前房水に対して酵素免疫測定法(ELISA法)を行った所、前房水中にはHSP27が検出され、またHSP27のリコンビナシト蛋白とT細胞クローンを共培養した結果、T細胞クローンのインターフェロン(IFN)-γ産生能が促進された。これらの結果は、前房水中には熱ショック蛋白が構成的に発現し、免疫調節作用を有する事を示唆するものと考えられる。今後、HSP27の有する免疫調節作用のさらなる解析と、他の種類の熱ショック蛋白についても解析を進めていく予定である。
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