2011 Fiscal Year Annual Research Report
ドライアイにおける膜型ムチンの発現制御についての検討
Project/Area Number |
21791683
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
堀 裕一 東邦大学, 医学部, 准教授 (70379171)
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Keywords | ドライアイ / ムチン / オキュラーサーフェス / 膜型ムチン |
Research Abstract |
「研究の具体的内容」: (1)培養細胞を用いたムチンのバリア機能評価の実験系の確立:重層化させて膜型ムチンが発現しているHCjE cellの培養液に1%ローズベンガルを加えて細胞への浸透を観察し、ローズベンガルの細胞への浸透度を顕微鏡写真のローズベンガルの赤色の濃度をデンシトメトリーで定量を行って、バリア機能の判定を行えることが明らかになった。 (2)上記の実験系にて、コンタクトレンズ保存液、点眼薬の防腐剤におけるHCjE cellの細胞障害の有無、膜型ムチン(MUC16)発現、ローズベンガル染色試験を行い、上皮のバリア機能への影響を調べたところ、コンタクトレンズ保存液では、ホウ酸を含むものが有意に細胞上の膜型ムチンであるMUC16の発現が阻害され、バリア機能の指標であるタイトジャンクションも阻害されていた。また、点眼薬の防腐剤に多く含まれる塩化ベンザルコニウムを培養液中に添加して1分間反応したところ、濃度依存的に膜型ムチンの発現が阻害され、ローズベンガル試験で細胞のバリア機能が障害されていた。同様に、緑内障点眼を用いて塩化ベンザルコニウムを含むものと含まないものを培養液中に添加したところ、塩化ベンザルコニウムを含む緑内障点眼において、有意に型ムチンの発現が阻害され、ローズベンガル試験で細胞のバリア機能が障害されたことが明らかになった。 「研究の意義」:眼表面において膜型ムチンはバリア機能に関係しており、日常よく使われるコンタクトレンズ保存液や点眼薬に含まれる成分によって影響を受けることが明らかになった。 「研究の重要性」:本研究によって膜型ムチンの眼表面での役割が明らかにされるとともに、将来、眼表面にとって安全である薬剤の開発にたいする有用な情報が得られたと考える。
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Research Products
(6 results)