2010 Fiscal Year Annual Research Report
角膜における神経ガイダンス分子の発現と生理的機能の解明
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21791686
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
森重 直行 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40346565)
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Keywords | Semaphorin 3A / Cornea / Epithelium / Wound healing |
Research Abstract |
研究成果 (1)正常成ラットにおける角膜神経線維の分布およびSema3Aの発現 正常ラット角膜には,周辺部より中央に向かって抗neurofilament抗体に陽性の神経線維が進展していた。一方で,Sema3Aは周辺部角膜上皮細胞の基底膜側に強く発現していた。その発現は,中央部角膜上皮よりも周辺部~輪部角膜上皮に顕著であった。 (2)角膜上皮創傷治癒過程におけるSema3Aの発現の変化 角膜上皮中央部の角膜上皮を機械的に剥離し,上皮欠損を作成した。上皮欠損は速やかに修復し,上皮掻爬翌日にはは消失した。上皮欠損作成翌日には,中央部角膜の上皮は6~7層に過形成していた。このとき,正常角膜上皮と比較して,角膜上皮基底細胞の基底膜側および側面におけるSema3Aが顕著に発現していた。このSema3Aの発現は掻爬3日後以降,正常角膜とほぼ同等となっていた。同一時期に,密着結合構成タンパクであるZO-1やギャップ結合構成タンパクであるCx43の発現を検討したが,上皮作成後の創傷治癒過程においてその発現パターンに顕著な差異は見られなかった。ウエスタンブロッティングによる検討でも免疫組織学的な検討と同様に掻爬後1日で有意にSema3Aの発現が増加していた。ZO-1やCx43の発現には差異はなかった。掻爬後1日においてSema3Aを強発現する上皮基底細胞では,細胞増殖を示すKi67の発現が見られなかった。これらの結果から,Sema3Aは創傷治癒過程にその発現に変化を来すが,細胞増殖には関与しないことが明らかとなった。
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Research Products
(8 results)