2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791692
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
上松 聖典 長崎大学, 長崎大学病院, 助教 (30380843)
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Keywords | 角膜 / バリア機能 / 角膜上皮障害 / 塩化ベンザルコニウム / 毒性試験 |
Research Abstract |
H22年度の研究実績 A)電極の安全性と安定性の確認 生体における電極の安全性と安定性を確認した。具体的にはウサギ角膜で上記電極を使用し、電圧抵抗計EVOMXTMで±20μA,12.5Hzの矩形波電流にて5分間TERを測定し、1分毎に測定値の変動、分極の有無を確認し、装置をはずした後に細隙灯で角結膜傷害の有無を検討した。細隙灯検査では角膜上皮の障害はほとんど見られなかった。電極の安全性と安定性を確認した上で、ヒトに適用するため倫理委員会の審議を受け、承認を得た。 B)正常角膜のバリア機能測定 開発した電極を用いて、健常成人の角膜のバリア機能をTERで測定した。成人男子での角膜TERの値は1257±311 ohm cm^2であった。 C)有疾患眼の角膜バリア機能測定 角膜疾患の角膜バリア機能は、患者における測定が望まれたが、測定装置が完成してからの当該患者数が少なく評価するには不十分であったため、ウサギにおける角膜びらんの評価を行った。角膜びらんでは角膜TERは6.4±3.1%に減少した。経過観察すると角膜びらんが回復するにつれTERも改善し、1,3,7日後にはそれぞれ10.8±4.0%、80.0±41.6%、119.4±4.3%となった。角膜障害測定装置で角膜疾患の角膜バリア機能を定量的に評価することが可能であることが示された。 D)点眼薬の角膜傷害評価 点眼薬の防腐剤である塩化ベンザルコニウム含むラタノプロスト点眼薬(0.02%塩化ベンザルコニウムを含む)を点眼し角膜傷害をTERで測定した。投与1分後に角膜TERは投与前の73.0±25.9%と有意に減少した。これはウサギ角膜に1分間同薬を暴露し続けた実験のデータよりも高い数値であり、涙液のターンオーバーによる薬剤の希釈の影響が示唆された。
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Research Products
(4 results)