2009 Fiscal Year Annual Research Report
斜視手術後の外眼筋および筋周囲組織瘢痕化に関する研究
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21791703
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
白井 久美 Wakayama Medical University, 医学部, 講師 (70326370)
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Keywords | 斜視手術 / 外眼筋 / 瘢痕 |
Research Abstract |
ヒト斜視再手術を行う際、筋縫着部瘢痕様組織を切除し、インフォームドコンセントを得られた症例で、切除物を4%パラフォルムアルデヒドで固定、パラフィン包埋した。hematoxylin-eosin染色、および筋のマーカーであるdesmin、a平滑筋アクチン(以後aSMA)、I型collagen、V型collagen、TGFb1、fibronectinの免疫染色を行い、これらの免疫組織学的局在について、検討した。またヒト斜視の初回手術症例で切除した外眼筋についても、同様の染色を行い比較検討した。HE染色では筋縫着部の切除組織は、線維性の瘢痕様組織であった。desminは切短筋で陽性、瘢痕様組織では陰性であった。またaSMA、I型およびV型collagen、TGFb1は瘢痕様組織で発現していたが、切短筋ではこれら全て認められなかった。Fibronectinはどちらも陰性だった。 成Wistarラットの右眼の下方結膜を切開し、8-0プロリン糸を使用して下直筋を2mm後転した(n=20)。一定期間後(1週間、1か月後、3か月後)に屠殺、眼球を摘出し、パラフィン包埋した。下直筋に対して垂直に連続切片を作成し、hematoxylin-eosin染色を行った。非手術のコントロール眼では、筋は腱組織を介して付着しており、筋と強膜の間に癒着はみられなかった。後転術1週間以降では、腱組織と周囲の瘢痕組織の区別が困難となっていた。1か月後も腱組織は認めず、筋と強膜は縫合部で癒着していた。さらに一部の標本では、筋腹で局所的に癒着が認められたものや、筋層間に瘢痕様組織がみられたものもあった。3か月後も同様であった。
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Research Products
(1 results)