2010 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイン酸を用いた自己免疫性眼炎症疾患の抑制の試み
Project/Area Number |
21791709
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
慶野 博 杏林大学, 医学部, 講師 (90328211)
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Keywords | レチノイド受容体 / 自己免疫性ぶどう膜網膜炎 / Th17 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
背景と目的:近年、レチノイドによる免疫調節作用が注目されている。今回、核内受容体の一種であるレチノイン酸受容体α、βを特異的に活性化する合成レチノイドであるAm80を用いてベーチェット病などの難治性ぶどう膜網膜炎の動物モデルとして知られる実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎(EAU)を用いてAm80の炎症抑制効果を検討した。 方法:C57BL/6マウスにヒトIRBPペプチドを皮下接種しEAUを誘導した。免疫日からAm80(3mg/kg)および基剤の内服投与を開始(EAU誘導期)、免疫後21日目まで隔日投与を行った。免疫後12日目から眼底検査を行い、両群のEAUの程度を評価した。また免疫後21日目に眼球を摘出し、病理組織学的に検索した。さらに所属リンパ節細胞を採取し、抗原刺激によるサイトカイン産生能、リンパ球増殖反応について検討を行った。 結果:Am80投与群では基剤投与群に比較してEAUの臨床スコアの有意な低下がみられた。リンパ節細胞培養上清中のIFN-γ、IL-17はAm80投与群で有意に低下したが、リンパ球増殖反応は有意な低下はみられなかった。またEAUを誘導したマウスからリンパ節細胞を採取し、IRBPペプチドで刺激培養時Am80を添加するとCD4陽性T細胞上のIL-6受容体陽性細胞数が減少した。さらに網膜抗原特異的T細胞の誘導後にAm80を投与(EAUの発症期のみの投与)し、EAUの軽症化がみられるか検討したところEAUの発症は遅延したが免疫後21日目の時点では基剤投与群と比較して臨床スコアの有意な差は認めなかった。 結論:EAUの誘導期にAm80を投与することによりEAUの軽症化が誘導された。レチノイン酸受容体がぶどう膜網膜炎の治療標的分子となる可能性が示唆された。
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Research Products
(20 results)