2009 Fiscal Year Annual Research Report
角膜輪部上皮のニッシェにおけるエヌカドヘリンの役割
Project/Area Number |
21791711
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
比嘉 一成 Keio University, 医学部, 共同研究員 (60398782)
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Keywords | N-cadherin / ニッシェ / 角膜上皮前駆細胞 / siRNA / インターラクション |
Research Abstract |
N-cadherinは造血幹細胞とそのニッチ細胞である骨芽細胞で発現し幹細胞を維持するのに重要である。角膜輪部上皮基底層にもN-cadherinが発現しており、上皮幹細胞ニッチの構成成分である可能性が考えられる。これまでに我々はN-cadherinを発現しているNIH3T3フィーダー細胞を用いた角膜輪部上皮コロニーの培養が、角膜輪部ニッチのモデルとして有用である事を確認している。今回は角膜輪部ニッチモデルにおけるN-cadherinの役割を明らかにするため、以下の実験を行った。N-cadherinを発現するNIH3T3細胞にN-cadherin siRNAを組.み込んだ発現ベクターを用いてN-cadherinの発現を抑制させたフィーダー(N-cad^<low>フィーダー)を作成し、角膜輸部上皮のコロニーを培養した。コントロールにはコントロールベクターを発現させたNIH3T3フィーダーを使用した。比較はコロニー形成率と単位コロニーあたりの面積で行った。さらに、これらのフィーダーを使用し、duplexフィーダー法を用いた上皮シートを作成した。上皮シートは免疫染色(ケラチン12,15)による組織学的な比較を行った。ひと輪部組織においてさらに詳しくN-cadherinの発現を調べるため、免疫霞子顕微鏡解析ならびに共焦点レーザー顕微鏡によるヒト輪部組織におけるN-cadherinの発現についても検討した,N-cadherin^<low>フィーダー上のコロニーはコントロールと比較してコロニー形成率も面積も共に優位に減少した。また、角膜輪部表原型を示すK15の発現は、N-cadherin^<low>フィーダーを使用したDuplex培養上皮シートの基底層で減少していた。ヒト輪部組織における今回の解析では角膜輸部上皮基底層の上皮細胞間でN-cadherinの発現が認められたが、上皮細胞とメラノサイトならびに実質細胞とのインターラクションを示すような直接的な像を観察することはできなかった。 実質側とのインターラクションにつては今後さらに検討が必要であるが、K15陽性角膜輪部上皮細胞の未分化の維持にN-cadherinが関与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)