2011 Fiscal Year Annual Research Report
角膜輪部上皮のニッシェにおけるエヌカドヘリンの役割
Project/Area Number |
21791711
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
比嘉 一成 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (60398782)
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Keywords | N-cadherin / ニッシェ / 角膜上皮前駆細胞 / siRNA / インターラクション |
Research Abstract |
本年度においてもN-cadherinとニッシェとの関係について調べてN-cadherinの役割について検討した。まず、上皮細胞とその直下に存在する実質の細胞との関係を出来るだけ壊さないようにコラゲナーゼを使って細胞塊を回収した。その細胞塊の容細を調べるため、輪部上皮基底層で発現するN-cadherinと実質側の細胞で発現するAQP1の二重免疫染色を行って、共焦点レーザー顕微鏡によって1um中における細胞同士の関係について観察した。さらに、N-cadherin陽性の角膜上皮基底細胞と直接細胞間のインターラクションを行っていることを証明するために、N-cadherin blocking抗体、ならびにN-cadherin-FCキメラ抗体を用いて角膜輪部上皮基底細胞とその直下に存在するニッシェ様細胞との接着試験への影響を観察するとともに、上皮幹細胞の評価法の一つとしてマイトマイシン処理した3T3細胞のフィーダー上皮に播種し、コロニー形成能を観察した。また、フィーダーによる影響を考慮するため、フィーダーブリーの無血清培地におけるコロニー形成能についても観察した。コラゲナーゼ処理によって回収した細胞塊ではN-cadherin陽性の輪部上皮基底細胞に密接した樹状突起をもった約100um前後の大きなAQPl陽性細胞が存在していた。共焦点レーザー顕微鏡下で、1umスキャンにおいて角膜輪部上皮基底細胞でN-cadherinを発現している部分に手を伸ばすかのように共存している像が観察することができた。接着試験後の細胞塊を観察するとN-cadherin陽性細胞とAQP1陽性細胞との接着率が増加傾向を示していた。接着試験後のコロニー形成能において、フィーダーを使用した方ではN-cadherin blocking抗体ならびにN-cadherin-FCキメラによる影響を観察することは出来なかったが、フィーダーフリーの無血清培地におけるコロニー形成では優位にN-cadherin blocking抗体ならびにN-cadherin-FCキメラによる影響を観察することができた。これにより、角膜輪部基底細胞におけるN-cadherinの発現はAQP1陽性ニッシェ様細胞への接着で重要な役割を担っていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)