2009 Fiscal Year Annual Research Report
難治性ぶどう膜網膜炎における免疫補助シグナル分子の制御機構解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
21791715
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
臼井 嘉彦 Tokyo Medical University, 医学部, 助教 (50408142)
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Keywords | ぶどう膜網膜炎 / 補助シグナル分子 / CD4陽性T細胞 / Th1反応 / Th17反応 / 眼ベーチェット病 / ICOS / サイトカイン |
Research Abstract |
ベーチェット病に代表される難治性内因性ぶどう膜炎は、現在でも失明原因として大きな位置を占めており、発症にはCD4陽性T細胞(Th)による抗原特異的反応が加わりその病態を形成している。CD4陽性T細胞の活性化には抗原提示細胞からの抗原提示刺激に加えて補助シグナル分子による補助シグナルが必要である。抗原提示細胞上に発現するB7RP-1(B7 related protein-1)分子のリガンドとCD28ファミリーに属する補助シグナル分子であるICOS(Inducible co stimulator)がT細胞の活性化に重要であり、以前より活動期眼ベーチェット病患者末梢血CD4+T細胞上にICOSが非活動期眼ベーチェット病患者や健常人と比較して高発現していることも見出しているため、今年度はさらなる検討を行った。眼ベーチェット病患者末梢血単核球における補助シグナル分子のmRNAの発現をマイクロアレイにより網羅的に解析した結果、補助シグナル分子の中でもICOSの最も発現が高かった。眼ベーチェット病患者末梢血単核球をCon Aあるいはぶどう膜抗原であるInterphotoreceptor binding protein (IRBP)を用いてin vitroで刺激し培養液中にanti ICOS mAb (10μg/ml)添加したところ、Th1サイトカインであるIFN-γやTh17サイトカインであるIL-17の産生が低下した(Invest Ophthalmol Vis Sciに投稿中)。ICOSを阻害することで、Th1およびTh17サイトカインの産生を低下することができることにより、ICOSを標的として将来的に眼ベーチェット病の治療としては有用ではないかと考えている。今後もさらなる難治性ぶどう膜網膜炎における補助シグナル分子の関与につき検討を行う予定である。
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