2010 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障性視神経症の無髄軸索内ミトコンドリア行動異常の制御機構
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21791718
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
宗正 泰成 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (30440340)
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Keywords | 緑内障 / ミトコンドリア / 軸索変性 / 網膜神経節細胞死 / Thioredoxin2 / AIF / 酸化ストレス / TNF-a |
Research Abstract |
アルゴンレーザー誘導ラット高眼圧モデルを作成し、その変性軸索内のミトコンドリア関連蛋白及び順行性ミトコンドリア輸送関連蛋白の変化を検討し、さらにミトコンドリア外膜透過性制御による軸索変性に対する視神経保護効果を検討した。眼圧上昇2週目における変性軸索内のKinesin1(KIF5B)及びMyosinVaの減少を認めた。ミトコンドリア分画における膜透過制御蛋白Thioredoxin2(Trx2)の減少及び細胞死誘導因子であるapotosis-inducing factor(AIF)の減少、それに伴う軸索原形質内及び網膜神経節細胞体核内のAIFの上昇を認めた。これらの結果は高眼圧による視神経変性軸索内ミトコンドリア輸送の減少及びミトコンドリア関連細胞死因子の外膜透過性亢進によるミトコンドリア外への流出に伴う軸索変性及び細胞体死を示唆した。 神経保護効果に関しては、Trx2 cDNAの硝子体注射及びelectroporationによるミトコンドリア外膜への強制発現により検討された。Trx2のミトコンドリアへの強制発現はimmunoblot及び共焦点顕微鏡で確認された。immunoblotでは強制発現された網膜及び視神経においてTrx2の上昇が認められた。共焦点顕微鏡ではGFPで標識されたTrx2のミトコンドリア外膜での発現が認められた。 眼圧上昇5週間での軸索数は高眼圧群では約27x10^4に対し、Trx2強制発現群では約32x10^4と神経保護効果を得ることができた。 本研究において、高眼圧による軸索変性にはミトコンドリアの外膜透過性制御破綻及びミトコンドリア輸送蛋白の分解・減少さらにはAIF等ミトコンドリア関連細胞死誘導蛋白の軸索内及び細胞体核内での上昇が関与しており、Trx2強制発現による外膜透過性制御によりその軸索変性保護が得られた。
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[Presentation]2010
Author(s)
宗正泰成
Organizer
日本緑内障学会
Place of Presentation
福岡(アクロス福岡)
Year and Date
2010-09-25
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