2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791722
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松岡 雅人 Kansai Medical University, 医学部, 助教 (20509575)
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Keywords | 糖尿病網膜症 / 血管内皮細胞増殖因子 / 血管新生 / アストロサイト |
Research Abstract |
平成21年度では、高酸素負荷虚血網膜症モデル及びレーザー誘発網膜静脈閉塞症モデルを作成し網膜無血管領域におけるastrocyteやfibronectin局在について検討することを目標とした。 実験マウスを生後7日目から75%酸素下で飼育。生後12日目に眼球を摘出し、網膜を単離する。単離網膜をgriffornia simplicifolia lectinにて網膜血管を蛍光標識し、網膜無血管領域を同定する。 同時にfibronectin抗体にてfibronectinを蛍光標識し、LSM510共焦点レーザー顕微鏡を用いて、その局在を検討した。その結果、fibronectinは網膜血管に一致した部位に検出された。さらに網膜血管が消失している網膜無血管領域でも同様にfibronectinは検出されなかった。 ヒト糖尿病網膜症の網膜無血管領域では、網膜血管を構築する血管内皮細胞や周細胞は消失し、基底膜だけが残存する。そして閉塞血管の内腔はミュラー細胞などのグリア細胞に置き換わることが、電子顕微鏡による病理組織で証明されている。 Fibronectinは血管基底膜の構成成分の一つであるため、実験前は網膜無血管領域でもfibronectinが検出できると考え、血管内皮細胞増殖のための足場として再利用できるのではないかと考えていた。しかし今回の結果では網膜無血管領域にfibronectinは検出できず、astrocyteなどによりfibronectin再導入する必要があると考えられた。 さらに摘出網膜をastrocyteのマーカーであるPDGFレセプターαで蛍光染色したが、検出できなかった。正常網膜でも検出できなかったことから、手技的に問題があると考えられた。今後はs-100やGFAPなど複数のマーカーを使用することで、astrocyteを検出しようと計画している。
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