2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜シートと回転培養法を応用した足場を必要としない気管軟骨再生法の開発
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21791730
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷 岳人 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60467561)
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Keywords | 再生医療 / 軟骨再生 / 細胞シート / 回転培養 |
Research Abstract |
家兎の耳介軟骨より採取した軟骨細胞を高密度培養して軟骨細胞シートを作製した。この軟骨細胞シートをシリコンチューブに巻き付けて円筒状にし、4週間回転培養したものを家兎の胸鎖乳突筋内に自家移植した。自家移植後4週間後に摘出して、内腔の開存性、弾力性、組織染色、免疫染色、グリコサミノグリカンの定量を行った。移植片はシリコンチューブを抜去しても内腔の開存性があり、外部より圧迫や屈曲などの圧力を加えてもその圧力を解除すると元の形にすぐに戻る弾力性を有していた。組織染色では軟骨組織内の一部に石灰化が認めら、サフラニン-0染色にてグリコサミノグリカンの染色範囲が減少していた。免疫染色を移植前の組織と比較してみると、H型コラーゲンの染色が減少し、I型コラーゲンの染色が増加していた。グリコサミノグリカンの定量では移植前に比べると有意にグリコサミノグリカン含有量が減少していた。正常気管軟骨と比べてもグリコサミノグリカン含有量は有意に低かった。軟骨内のグリコサミノグリカン含有量を増加させることが知られている塩基性線維芽細胞増殖因子を自家移植前に軟骨細胞シートに塗布して自家移植を行った。自家移植後4週間後に摘出して同様の評価を行ったが、移植片のサフラニン-0染色は移植前に比べて染色範囲が減少した。II型コラーゲンの染色も減少し、I型コラーゲンの染色は増加しており、塩基性線維芽細胞増殖因子の塗布前のものと同様の所見であった。また、グリコサミノグリカン含有量の塩基性線維芽細胞増殖因子を塗布しても改善は認められなかった。
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Research Products
(4 results)