2009 Fiscal Year Annual Research Report
先天性横隔膜ヘルニアにおけるインシュリン様成長因子を用いた新たな胎児治療戦略
Project/Area Number |
21791732
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江角 元史郎 Kyushu University, 大学病院, 医員 (30452759)
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Keywords | 先天性横隔膜ヘルニア / 肺低形成 / 胎児治療 |
Research Abstract |
本研究では、横隔膜ヘルニア(CDH)疾患モデルのラット胎仔を作成し、その肺低形肺について、インスリン様成長因子(IGF-1、IGF-2)の存在下において、肺成熟が誘導されうるかについて検討を行っている。本年度は疾患モデルラットの作成、肺(組織)培養条件の検討、IGF添加環境下での組織培養、培養組織の解析を行った。 疾患(CDH)モデルラットについては、妊娠9日目のSDラット胃内にオリーブ油1ccを投与することで作成が可能であった。妊娠18日目(満期は21日目)の時点で約45%の胎仔にCDHの形成を認め、CDH陽性のラットの左肺はCDH陰性のラットのそれよりも小さく、低形成であることを確認した。摘出した左肺は、肺の分岐発生観察の条件に習って、DMEM/F-12をベースとした培養液を用い、組織を培養液表面上に置くSemi-dry環境にて培養を行った。培養条件の妥当性について確認するため、IGFを添加しない条件での組織培養について解析を行い、その妥当性を日本小児外科学会、日本周産期・新生児学会にて報告・発表した。IGF添加培養については、当施設で行った過去のマウス肺培養の研究での培養条件を中心に、IGF添加の濃度条件、培養時間を変えて解析を行っている。現時点でIGF-1 (500ng/ml)添加群、IGF-2 (500ng/ml)添加群について24時間培養条件でI型肺胞上皮細胞のマーカーであるICAM-1のmRNAの増加傾向を認めており、肺成熟の可能性が示唆された。病理学的解析を含め、IGF投与の有効性について検索していく方針である。
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Research Products
(2 results)