2009 Fiscal Year Annual Research Report
Sox6遺伝子導入による不死化神経幹細胞の作製と中枢神経系再生への応用
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21791761
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
濱田 美知子 Kobe Gakuin University, 薬学部, 助教 (10248106)
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Keywords | Sox6 / Wnt-1 / 神経幹細胞 |
Research Abstract |
私は、Sox6が神経幹細胞の分化と生存を制御するメカニズムついて明らかにするために、Sox6の標的遺伝子を検索した。その結果、いくつかの候補遺伝子が明らかとなった。またその一つであるWnt-1について、詳細に検討して、以下の結果を得た。(1)Wnt-1 promoterへSox6が直接結合した。Gel shift assayによって、Wnt-1 promoterに少なくとも2カ所のSox6結合領域が存在することが分かった。またこれら2つの結合部位について、細胞内クロマチンへの結合をChIP assayによって確認した。(2)Sox6はWnt-1 promoterを活性化した。Wnt-1 promoterをもつルシフェラーゼベクターを用いたreporter gene assayの結果、Sox6はWnt-1 promoterを活性化した。 次にWnt-1がSox6が神経幹細胞の分化と生存を制御するメカニズムのどこに関わっているかを明らかにするために、Sox6抑制による影響をWnt-1によって回復出来るかどうか検討した。その結果(1)Sox6抑制による細胞死は、Wnt-1のoverexpressionにより殆ど影響がなかったこと。(2)Sox6抑制による神経細胞およびグリア細胞分化の抑制は、Wnt-1のoverexpressionにより著しく回復したことが分かった。即ちWnt-1はSox6の下流で神経系への分化に関連し、生存には余り関与しないのではないかと示唆された。
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