2010 Fiscal Year Annual Research Report
Sox6遺伝子導入による不死化神経幹細胞の作製と中枢神経系再生への応用
Project/Area Number |
21791761
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
濱田 美知子 神戸学院大学, 薬学部, 助教 (10248106)
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Keywords | Sox6 / Sox2 / 神経幹細胞 / ES細胞 |
Research Abstract |
私は、Sox6が神経幹細胞の分化と生存を制御するメカニズムついて明らかにするために、マウス胚由来神経幹細胞(NSC)とマウス胚性幹(ES)細胞で、Sox6の過剰発現と発現抑制による神経細胞への分化及び生存を検討した。Soxファミリーの発現が異なる14日胚(B14)と17日胚(E17)由来NSCを用いた。即ち、E14NSCでは、Sox1,Sox2,Sox6が発現しているが、E17NSCでは、Sox6が主で、他は発現量が顕著に低下している。また、我々の系では、E14NSCでは、分化誘導した時、殆どが神経細胞へ分化し、グリア細胞の出現率が著しく低いが、E17NSCでは、神経細胞に遅れてグリア細胞も高頻度で出現する。E14NSCでは、Sox1、Sox2、あるいはSox6の発現抑制だけでは細胞の生存率は少し減少したが、Sox2とSox6のダブルノックダウンによって、著しい細胞死が起こった。このとき、細胞はAnnexin-Vで染色され、DNAの断片化も検出されたことから、Apoptosisだと考えられた。また、E14NSCでのSox6の過剰発現は、神経細胞への分化までの時間を短縮し、分化した細胞数も有意に増加させた。E17NSCでは、Sox6のノックダウンによって、著しい細胞死が見られ、Sox6の過剰発現で、神経細胞への分化までの時間の短縮と、グリア細胞への分化を減少させた。マウスES細胞では、Sox6は殆ど発現しておらず、SDIA法によって神経細胞へ分化誘導した時に、Sox6の発現が増加した。このとき、Sox6を過剰発現すると、神経細胞へ分化するまでの時間が短縮されたが、分化後、やはり早い段階で胚様体の崩壊が見られた。またSDIA法で神経細胞へ分化誘導したES細胞で、Sox6をノックダウンすると、著しい細胞死が起こり、神経細胞へ分化する細胞の割合が低下した。
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