2011 Fiscal Year Annual Research Report
Sox6遺伝子導入による不死化神経幹細胞の作製と中枢神経系再生への応用
Project/Area Number |
21791761
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
濱田 美知子 神戸学院大学, 薬学部, 助教 (10248106)
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Keywords | 神経幹細胞 / Sox6 / Apoptosis |
Research Abstract |
私は、Sox6が神経幹細胞の分化と生存を制御するメカニズムついて明らかにするために、Sox6の標的遺伝子を検索した。その結果、遺伝子A,B,Cの3つの候補遺伝子を同定し、過剰発現、RNAiによって発現抑制実験を行い、その役割について検討した。 (1)遺伝子Aの発現抑制により、Sox6による神経細胞への分化が抑制されること、遺伝子Aの発現を戻すことで、神経細胞への分化が回復することなどから、Sox6による神経細胞への分化が、遺伝子Aによって仲介されている可能性が示唆された。 (2)しかし、遺伝子Aによる細胞生存率への影響はなかった。 (3)遺伝子Bは過剰発現させることで細胞の生存率が減少し、逆にRNAi法によって発現抑制することで、神経幹細胞の生存率が増加した。またその結果として神経幹細胞から神経細胞への分化が促進された。 (4)遺伝子Cは過剰発現することで、細胞の生存率が増加し、逆にRNAi法によって発現抑制することで細胞のApoptosisが観察された。 (5)Sox6はLeu-Zipperタンパクであり他の分子と複合体を作って働くと考えられている。精巣ではSox6のパートナーとなる分子Soltが発見されたが、中枢神経系では未知である。Sox6の作用メカニズムを明確にするためにもパートナー分子の同定が必要である。そこでイーストツーハイブリッド法によって神経幹細胞でのSox6のパートナー分子の検索を行った。また、神経幹細胞でのSox6と共に働く分子の検索を行い、その候補遺伝子として6つの遺伝子を同定した。それぞれがSox6と結合することがわかった。転写活性を変化させるかどうかについては今後の検討課題である。
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