2009 Fiscal Year Annual Research Report
心室性頻拍誘発モデルマウスに対する顆粒球コロニー刺激因子投与治療の検討
Project/Area Number |
21791762
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
下條 信威 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20462210)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 集中治療学 / 致死性不整脈 / アップストリーム治療 / GCS-F |
Research Abstract |
難治性致死性不整脈治療の現状は、特に急性期においては不整脈を押さえ込むようなdown-stream治療のみだが、長期予後の改善を目指し平行した心筋保護のための強力なup-stream治療の開発が必要である。一方で、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の血管新生によらない、心筋リモデリングおよびアポトーシスの両方の抑制効果が示唆された。申請者は新たな難治性致死性不整脈に対するupstream治療の開発を目的とし、モデル動物を用いた実験系でG-CSFによる治療効果を検討した。本年度はモデル動物の作製を中心に行ってきた。予定通りマウスを用いた急性心筋梗塞モデル、冠動脈虚血再灌流モデルの作製を行い、モデルは完成したが、心室頻拍の発生頻度など実験データを得るには十分なものでは無く、改良を加えながらデータを集積している。また、同時にラットを用いて心臓内電極からの直接刺激による心室頻拍誘発モデルも作製した。その実験系によるG-CSFの心室頻拍の抑制効果を確認した。現在、導入するラットのモデルにより心室頻拍の発生頻度が異なるため、G-CSFの投与効果を調べるとともに、高血圧や糖尿病などラットの基礎疾患にも着目して、データを集積している。また、摘出した心臓を生化学的、分子生物学的検査によるメカニズムの検討も行っている。さらに、G-CSFの心筋細胞の培養系を立ち上げており、G-CSFによる心筋細胞内シグナル伝達およびコネキシン43などの関連分子との関係を検討している。同時にfibroblastの培養系も完成しており、G-CSFによる反応、線維化、炎症との関係、および心筋細胞との相互反応も検討する予定である。今後は、モデル動物の確率とともに、さらにこれらのデータを集積して行く予定である。
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