2010 Fiscal Year Annual Research Report
キャップ付閉鎖型側注ポート組込み型輸液システムのカテーテル感染の予防効果の検討
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21791769
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中瀧 恵実子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60467818)
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Keywords | カテーテル関連血流感染 / 閉鎖式輸液システム / キャップ付閉鎖型側注ポート / 三方活栓 / 輸液ルート汚染 |
Research Abstract |
(1)以前我々は、ニードルレス注入口を組み込んだ閉鎖式輸液システム(以下PNSC)は、三方活栓を組み込んだ開放式輸液システムと比較して汚染を軽減できないことを報告した。PNSCは、外部と高度に遮断された構造であり、輸液汚染を軽減できることが期待された。しかし、注入口表面が外部に露出しており、薬液注入時に側注口表面の細菌を輸液システム内部に押し込むことが汚染の原因と考えられた。 本研究では、注入口に保護キャップを装着したPNSCについて、輸液汚染軽減効果を開放型輸液システムと比較した。対象はICUで48時間以上輸液管理した成人患者とした。方法は、キャップ付PNSCを使用する群(閉鎖群)と三方活栓を組み込んだ開放式輸液システムを使用する群(開放群)に無作為に振り分けた。各輸液システムの側注口下流にバクテリアフィルター(BF)を組込み、輸液システムを48時間以上使用した後、無菌的にBFに培養液を充填し細菌培養した。BFに細菌が培養された場合を汚染ありとし、菌種とコロニー数を同定した。その結果、患者64名より330検体を収集した。閉鎖群(n=151)は開放群(n=179)に比べ、輸液汚染率は閉鎖群で1.3%、開放群で6.7%であり、閉鎖群で有意に低かった(p=0.04)。検出菌種は閉鎖群で2種類、開放群で11種類、コロニー数は閉鎖群で1個、開放群で1-500個であった。以前の研究と比較して、PNSCの輸液汚染率は、キャップを装着することで、10.1%から1.3%へと著明に低下した。PNSCの側注口に保護キャップを装着することで、側注口表面の細菌汚染を防止し、輸液汚染率を軽減できることが示唆された。 (2)(1)で検討した薬液注入部以外に輸液汚染を起こし得る部位としては、皮膚刺入部、輸液容器と輸液ラインの連結針がある。これらの部位での汚染率を把握し軽減に努めることにより、さらに輸液ルートの汚染率を軽減できる可能性がある。輸液容器と輸液ラインの連結針の汚染率についても研究を行った。
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Research Products
(1 results)