2010 Fiscal Year Annual Research Report
肥満による免疫異常と舌下免疫療法への影響‐共刺激分子の役割‐
Project/Area Number |
21791781
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永井 康裕 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (90508962)
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Keywords | 舌下免疫 / 金属アレルギー / 食事性肥満 / 免疫寛容 / 免疫不応答 |
Research Abstract |
肥満は、現代社会において重要な課題の一つであり、肥満によってアレルギー性喘息や病原菌への感受性の増大など、さまざまな免疫異常を引き起こすことが知られているがそのメカニズムは明らかとなっていない。本年度は、当研究室ですでに確立させている、金属アレルギーモデルマウスと、OVAを用いたアナフィラキシーショックモデルマウスを使用して、肥満が及ぼす影響を解析した。6-8週齢マウスに高カロリー食であるHigh fat 32 (Crea Japan)を2カ月与えて食事性肥満状態にし、そのマウスにOVA-alumを用いたアナフィラキシーショックを誘導し、直腸温測定によりショック評価した。また、すでに金属アレルギーおよびOVA感作を行ったマウスに食事性肥満を誘導し、その後ショックが低下するかを検討した。OVA-alumを用いたアナフィラキシーショックにおいても、肥満状態はその反応を著しく減少させた。また、金属アレルギー、アナフィラキシーショックともに、すでにアレルギー感作が起こっている固体を太らせることでも、アレルギー反応が減弱することが明らかとなった。このことは、肥満状態が、すでに感作が終了した免疫細胞に免疫不応答状態を引き起こしてしまうことを示唆している。また、肥満固体では金属アレルギーそのものが低下しているため、舌下免疫の肥満に対する影響は見られなかった。
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