2009 Fiscal Year Annual Research Report
カテプシン阻害剤を用いたドライマウス・I型糖尿病の治療学的研究
Project/Area Number |
21791790
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山田 安希子 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70452646)
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Keywords | 自己免疫性疾患 / I型糖尿病 / カテプシン / siRNA / ドライマウス / 細胞障害性CD8陽性T細胞 |
Research Abstract |
ドライマウスの主な原因疾患は、シェーグレン症候群をはじめとする自己免疫疾患や糖尿病などであり、現在のところ、人工唾液などの対症療法によって症状の緩和が図られているが、効果は十分でなく、根本的治療が求められている。これまでに、当教室ではリソソームに存在する酵素であるカテプシンがシェーグレン症候群の発症に重要な因子であることを明らかにした。そこで、本研究ではI型糖尿病(自己免疫性糖尿病)におけるカテプシン群の役割を比較検討することにより、カテプシンを介したI型糖尿病の治療およびドライマウスの改善につながる解析を目的とした。 まず、I型糖尿病モデルNOD(non-obese diabetic)マウスに対し、サイクロフォスファマイドの投与により糖尿病を誘導する際に、各カテプシン阻害剤(カテプシンL、S、B)を投与した結果、カテプシンL阻害剤投与により病態の抑制が認められた。また、in vitroで、末梢CD8陽性T細胞の活性化に伴いカテプシンL活性の増強が認められることを確認した。加えて、CD8陽性T細胞の細胞傷害活性に対するカテプシンL阻害剤の効果を検討した結果、カテプシンL阻害剤はCD8陽性T細胞の細胞障害活性を抑制することが示された。さらに、サイクロフォスファマイド投与NODマウスに対し、small interfering RNAを用いてカテプシンLをノックダウンした場合においても、病態抑制が認められた。したがって、カテプシンLを特異的に阻害することがI型糖尿病の有効な治療法となり、さらにはドライマウスの改善につながる可能性が示された。
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Research Products
(12 results)