2009 Fiscal Year Annual Research Report
バクテロイデスフィラムに位置する細菌の菌体外蛋白分泌機構の解明
Project/Area Number |
21791793
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐藤 啓子 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70410579)
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Keywords | 病原因子 / 分泌機構 / ジンジパイ |
Research Abstract |
歯周病原細菌Porphyromonas gingivalisは強力なプロテアーゼでるジンジパイン分泌る。このジンジパインは自身も病原因子となるだけでなく,線毛、赤血球凝集素などの成熟化にも関わる重要な因子である.本研究はジンジパインの菌体内輸送機構を明らかにすることを目的とする。平成21年度の目的:新たに同定されたジンジパイン輸送関連因子PorP,PorK,PorL,PorM,PorN局在を明らかにし、それらが複合体を形成しているかを検討すること、については,これら因子に体する抗体を作製、また、抗体ができない因子についてはタグをつけた融合タンパクをP.gingicalis内で発現させ,タグに対する抗体を用いたイムノブロット法にて検討した。菌体を可溶性画分,内膜画分、該膜画分に分画後,上記のイムノブロット法でそれぞれの局在を検討したところ,PorP,PorK,PorNは外膜に、PorL,PorMは主に内膜に局在することが明らかとなった.Blue-Native PAGEを用いたイムノブロットにて、これら5因子は複合体を形成している可能性が示唆された.これら5分子Flavobacterium johnsoniaeの滑走運動関連因子のオーソログであり,P.gingivalisのジンジパイン分泌機構との基本構造の類似性が示唆される.そこで、P.gingivalisのジンジパイン関連因子porTのF.johnsoniaeにおけるオーソログsprT変異株を作製した.F.johnsoniae sprT変異株は滑走運動能がなくなり、キチナーゼの培養上清への分泌が抑制されていた.これらの結果はP.gingivalisのジンジパイン分泌装置とF.johnsoniae滑走運動装置が類似性のある基本構造をもつことを示唆する。Proc Natl Acad Sci U.S.A.107,276-281(2010)に報告した。
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