2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規なバイオフィルム形成遺伝子から探る口腔カンジダ症の発症・進行メカニズム
Project/Area Number |
21791797
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
柴山 和子 Tokyo Dental College, 東京歯科大学歯学部, 助教 (60408317)
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Keywords | Candida albicans / 病原性 / 口腔カンジダ症 |
Research Abstract |
Candida albicansは、局所または全身の防御機構に異常を有する宿主においてカンジダ症を引き起こす。その病原性については、未同定因子を含め複数の病原因子が複合的に作用すると推察されている。新規な細胞表層分子に焦点を当て、同菌による全身および口腔領域における感染の成立から病原性の発揮に至るまでの遺伝子発現制御を含めた機能解析を行い、その複雑なメカニズムの包括的理解を目指す。 組織侵襲能および病原性が減弱した変異株のマイクロアレイによる網羅的遺伝子解析と定量PCRから、細胞表層タンパクをコードする遺伝子がダウンレギュレートされていることが明らかになり、このタンパクは宿主-菌体間の相互作用やバイオフィルム形成を担うことが予想されるCFEMドメインを有していた。 UEA3を選択マーカーとして繰り返し用いる標準的な遺伝子破壊法により標的遺伝子の欠失変異株の構築を試みたが、二倍体であるC.albicansのゲノムの複雑さと染色体分離の不安定性から、組換え体作製は困難を極めた。これを克服するための手段として、新たな選択マーカーの利用や、non-C.albicans由来の選択マーカーカセットによるfusion PCR法等を検討した。 現在、欠失変異株を用いコード遺伝子の特徴付けが進行中である。親株と比較し欠失変異株の菌糸形成能は減弱した。抗真菌ペプチドヘの感受性の低下が認められ、この細胞表層タンパクは細胞表面でのレセプター機能を担うことが示唆された。
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