2009 Fiscal Year Annual Research Report
全動物パッチクランプ記録法による島皮質特性とネットワークの解析
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21791811
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
安達 一典 Meikai University, 歯学部, 講師 (20349963)
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Keywords | 神経科学 / in vivo / patch clamp / insular cortex |
Research Abstract |
明確な6層構造を持たない島皮質の電気生理学的、神経薬理学的ならびに神経解剖学的特性の解析と、それら島皮質神経細胞の機能に及ぼす視床、扁桃体からの入力を検討することを目的とした。本年度はin vivo patch clamp whole-cell記録法と脳内微小刺激(ICMS)法を島皮質各部位(GI、DI、AI)に適用し同部位のII/III層錐体細胞の静止膜電位を含む自発活動性、興奮性の記録法の確立に成功した。その結果島皮質II/III層錐体細胞においては、静止膜電位の自発的な振動が認められるがその脱分極期が運動野や感覚野と異なり著しく短いこと明らかとなった。島皮質は脳波起始点との報告がなされていることから、島皮質が覚醒や睡眠サイクルにも機能的に関与している可能性が示唆され今後の研究の展開に重要な知見をもたらした。また、単独の記録細胞を神経マーカーで標識し解剖学的形態(細胞体の形状、樹状突起ならびに軸索の展開など)と併せて島皮質内での神経ネットワークを詳細に解析する方法について検討を加えた。その結果、皮質II/III層の錐体細胞であっても白質や線条体などへの軸索展開が存在することが明らかとなった。島皮質各部位の細胞体からの軸索投射はそれぞれの部位で特徴的な軸索展開を示すが、俯瞰的にはいずれも過去の報告と同様な方向性を示したが、軸索側枝の走行には偏重が存在することも明らかとなった。これらの軸索は高頻度にboutonを発現していることから、軸索終末に至る過程で近傍の神経細胞を順次活性化していることが示唆された。また、この軸索投射の方向と軸索走行の偏重は電気刺激誘発活動電位の伝播経路(電位依存性色素による検討)と一致することが明らかとなった。これらは今後島皮質機能を更に詳細に解明するために不可欠であり、加えて同神経核と他の神経核との機能的な連携を検討する上でも重要である。
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[Presentation] Analysis of masticatory movements in MPTP-induced hemi-parkinsonism monkeys.2010
Author(s)
Adachi K, Kobayashi M, Koshikawa N.
Organizer
SYMPOSIUM 2010 : The Promotion of Multi-clisciplinary Research Projects "Translational Research Network on Orofacial Neurological Disorders (TRON projects)" & Japan-Canada Joint Health Research Program-U.Toronto/Nihon U.Grant"Multi-disciplinary approaches for conquest of oro-maxillofacial neurological disorders"
Place of Presentation
日本大学歯学部(東京)
Year and Date
2010-02-19
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