2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌におけるケモカインの相互作用を応用した新規抗腫瘍ペプチドの開発
Project/Area Number |
21791816
|
Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
前畑 洋次郎 Kanagawa Dental College, 歯学部, 助教 (80410009)
|
Keywords | 癌 / CXCL14 / BRAK / CXCL8 / IL-8 / 血管新生抑制 / Drug Delivery System |
Research Abstract |
口腔癌においてIL-8は血管内皮細胞の増殖および遊走性を亢進させ血管新生を促進し,悪性化を惹起する腫瘍進展促進因子のひとつであることが報告されている。一方,2004年にBRAKとIL-8が結合することを示す実験結果が報告された。IL-8は2量体を形成しCXC受容体(CXCR1,CXCR2)に結合して作用することが知られている血管新生促進性ケモカインであるが,先の報告からBRAKはIL-8の2量体形成を阻害し血管新生を抑制することが示唆される。そこで,本研究課題では口腔癌細胞から分泌される血管新生促進性ケモカインIL-8と血管新生抑制性ケモカインBRAKの結合配列をアミノ酸単位で同定し,結合配列に相同的なペプチド(IL-8機能阻害ペプチド)を構築すること。そして,IL-8ペプチドをin vivoで適用し血管新生抑制作用による新たな抗腫瘍分子標的療薬を構築するための基礎的検討を行うことを目的とした。本年度は,次年度に実施予定であるIL-8機能阻害ペプチド構築の前準備として,IL-8およびBRAKの発現ベクターの作成を行った。さらに,口腔扁平上皮癌細胞(HSC-2,3,4)にリポフェクション法を用いて遺伝子導入した後,耐性薬剤を用いてセレクションを行いIL-8,BRAKの安定発現細胞株を獲得した。また,IL-8とBRAKの結合を確認するために必要な免疫沈降法の予備実験を行いプロトコールの構築を行った。次年度は,本年度に獲得した実験条件およびサンプルを用いて,IL-8機能阻害ペプチドの構築および口腔扁平上皮癌細胞における血管新生への影響をin vitro, in vivoにて検討することを計画している。
|
Research Products
(5 results)