2010 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞前駆細胞の誕生および供給における新規サイトカインIL-34の役割
Project/Area Number |
21791817
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (20350829)
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Keywords | IL-34 / M-CSF / 破骨細胞前駆細胞 / 破骨細胞 / 活性型ビタミンD |
Research Abstract |
M-CSFは、RANKLとともにMφから破骨細胞(OC)への分化にも必要である。最近、M-CSF受容体の第2リガンドIL-34が発見された。本研究は、「細胞周期停止OC前駆細胞QOPの形成にIL-34が関与している」、という仮説をもとにQOP誕生および骨組織への供給のメカニズムを解明することを目的とする。我々は、強力な活性型ビタミンD誘導体2MDをM-CSF欠損のop/opマウスに投与すると、OCが誘導されることを見出した。そこで、op/opマウスを用いて、OC形成におけるIL-34の役割を解析してきた。平成21年度には、IL-34がQOP誕生および骨組織への供給に関与することを示唆するデータを得ていた。平成22年度は、さらなる確証を得るための実験に終始した。当初の計画は、M-CSF受容体上のIL-34とM-CSF結合領域の同定、およびIL-34の翻訳後修飾の解析、であった。しかし、平成21年度の知見に対して、さらなる裏づけをとることが必要なため、予定を変更した。1.培養系においてIL-34は、M-CSFと同様にOC分化および延命を促進した。2.op/opマウスにおいて、2MDによるOC誘導にIL-34が必要であるか検証した。IL-34 siRNAの静脈投与によりIL-34発現をノックダウンした後、2MDを投与したところ、OC形成が完全に抑制された。平成21および22年度の研究結果より、IL-34は脾臓において、M-CSFは骨においてOC前駆細胞の維持に関与することが明らかになった。OC形成における活性型ビタミンDの役割は、脾臓の血管や骨組織においてIL-34の発現を上昇させることで、OC前駆細胞の脾臓から血流への動員、および骨への定着を促進することであると考えられたそして最終的に活性型ビタミンDは、骨芽細胞のRANKL発現上昇を介してOC分化を促進することがわかった。
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Research Products
(6 results)