2009 Fiscal Year Annual Research Report
電気泳動による次世代のマイクロRNAプロファイリング法
Project/Area Number |
21791819
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
林 徹 Asahi University, 歯学部, 助教 (10454266)
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Keywords | マイクロRNA / 変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法 |
Research Abstract |
タンパク質発現の調節を担うマイクロRNAを対象とした新しいプロファイリング法の確立を目的としている。核酸1塩基の違いを検出できる電気泳動法(変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法)を用いることで、複数サンプル問で特異的な発現パターンを示すマイクロRNAを、既知あるいは未知を問わず、迅速に同定することを目指す。生物試料として胎仔マウスから採取した顎下腺を用いた(後述するように培養細胞についても実施予定)。はじめに、マイクロRNAと複合体を形成しているタンパク質を免疫沈降法によって回収し、マイクロRNAを特異的に抽出した。これらのマイクロRNA全てに対し共通となるアダプタ配列を両末端に付加した。次に、このアダプタ配列を標的とするPCRを実施し、その後クローニングをおこなった。全クローンの混合液からプラスミドを抽出し、PCRによって得られた増幅産物を変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法で解析した。こうして得られるバンドの一本一本は、それぞれ異なる配列のマイクロRNAであると考えられる。また、各クローンについても同様の解析を行い、あわせて塩基配列解析も実施した。これらの結果、マイクロRNAは約20塩基と非常に短いが、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法によって1-2塩基の違いも区別することが出来た。近年、マイクロRNAには様々なバリアントが存在することが報告されているが、これらも識別可能と考えられる。また、全クローン混合液に関するPCRでは、非特異的な増幅産物が確認された。塩基配列解析の結果から、残存したアダプタ配列がプラスミドに挿入されていることが分かった。この事は、試料である顎下腺中のマイクロRNAの存在量が少ないことを示唆している。今後の対策として、充分量のマイクロRNAを得るべく培養細胞の使用を検討している。得られた結果の一部は、第51回歯科基礎医学会学術大会(口演番号0-84)にて発表した。
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