2010 Fiscal Year Annual Research Report
電気泳動による次世代のマイクロRNAプロファイリング法
Project/Area Number |
21791819
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
林 徹 朝日大学, 歯学部, 助教 (10454266)
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Keywords | マイクロRNA / 変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法 |
Research Abstract |
タンパク質発現の調節を担うマイクロRNAを対象とする新しいプロファイリング法の確立を目的とした。核酸1塩基の違いを検出できる電気泳動法(変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法)を用いることで、複数サンプル間で特異的な発現パターンを示すマイクロRNAを、既知あるいは未知を問わず、迅速に同定することを目指した。生物試料として胎仔マウスから採取した顎下腺を用いた。はじめに、マイクロRNAと複合体を形成しているタンパク質を免疫沈降法によって回収し、マイクロRNAを特異的に抽出した。これらのマイクロRNA全てに対し共通となるアダプタ配列を両末端に付加した。次に、このアダプタ配列を標的とするPCRを実施し、その後クローニングをおこなった。得られたクローンライブラリーの約100クローンについて、シーケンス解析を実施し、各クローンの配列情報を取得した。解析した塩基配列情報に基づき、代表的なマイクロRNAの各クローンおよびそれらのクローン混合液を作成して、プラスミドを抽出し、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法で解析するためのPCR条件などについて検討した。その結果、マイクロRNAは約20塩基と非常に短いが、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法によって1-2塩基の違いも区別することが出来た。近年、マイクロRNAの配列末端にて塩基が付加あるいは欠失し様々なバリアントが生成されることが報告されている。汎用されるマイクロアレイ解析では看過されるこれらのバリアントも、本法では識別可能と考えられた。得られた結果の一部は、学術雑誌Developmental Biology (352,299-307,2011)に発表した。
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