2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791820
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
石塚 智子 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (90448043)
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Keywords | 食物嫌悪学習 / 扁桃体中心核 / ヒスタミン / Fos / 免疫組織染色 / 嗜好性 / マイクロダイアリシス |
Research Abstract |
前年度までの研究により,ラットが硬飼料(hard)を摂取中には扁桃体中心核におけるヒスタミン遊離が上昇する一方,軟飼料(soft)およびhardに3%ショ糖を添加した甘味飼料(sweet)を摂取中にはヒスタミン遊離が上昇しないことを示している.さらに,食物嫌悪学習によりsoftに対して嫌悪を獲得したラットでは,条件刺激であるsoftを条件付けの翌日に再呈示した際にヒスタミン遊離が有意に増加することを見出している.この結果を踏まえ,sweetを用いて同様の実験を行ったところ,条件付け獲得ラットにsweetを再呈示してもヒスタミン遊離の変動は見られなかった.従って,条件刺激の種類が異なると食物嫌悪学習の想起時に扁桃体中心核のヒスタミンが担う役割が異なっていることが予想されたため,食物嫌悪学習の想起時における扁桃体中心核の神経活性ならびにヒスタミンH1受容体遮断の影響について検討した.食物嫌悪学習を獲得したラットが条件刺激であるsoftおよびsweetを再摂取した際には,soft嫌悪群においてのみ扁桃体中心核のFos蛋白発現が増加した.さらに,条件刺激の再呈示前に両側の扁桃体中心核にH1受容体遮断薬であるメピラミン(20μg/0.5μl/side)を投与すると,soft嫌悪群では学習の想起が障害されたが,sweet嫌悪群ではその効果が見られなかった.以上より,味覚を条件刺激とした場合と異なり,硬さを条件刺激とした食物嫌悪学習の想起には扁桃体中心核のH1受容体が関与することが示された.
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