2009 Fiscal Year Annual Research Report
血管腫・血管奇形の新しい診断方法の確立と治療への応用
Project/Area Number |
21791821
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
栗林 亜実 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 特任助教 (00431932)
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Keywords | 血管奇形 / MRI / 頭頚部 |
Research Abstract |
血管奇形は頭頚部に好発し、その組織学的所見によって毛細血管、リンパ管、静脈、動静脈奇形および種々の混合型に分けられる。臨床的には治療方針上、その血行動態に影響の大きい動脈の関与の有無によりlow-flow typeまたはhigh-flow typeに分けられる。現在血管奇形の治療方法としては様々な方法があるが、low-flow typeでは硬化療法が最も低侵襲で効果があるとされている。一方血流が速いhigh-flow typeでは硬化剤が病変部にとどまらないため、硬化療法はあまり適していない。このため血管奇形の血行動態を評価する事は治療方針の決定上重要であり、今回の研究の目的はdynamicMRIおよび拡散強調画像が血管奇形のhigh-flow typeとlow flow typeの鑑別に有用であるかどうかを評価する事である。 今年度の研究成果 頭頚部領域の血管奇形の症例を対象に、通常のMRI検査に加えてdynamic MRIおよび拡散強調画像を行い、かつ手術を行った症例を19例集めた。この19症例を病理医へ依頼し、通常のHE染色に加えて特殊染色(EVG)標本を作成してもらい、血管奇形の中に動脈が含まれているかどうかを評価した。また本検査に関して東京医科歯科大学歯学部倫理審査委員会の承認を得た。 今後さらに症例を増やすとともに、現在得られた19例の病理結果とMRIの結果を対比させ、その結果を発表していく予定である。
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