2011 Fiscal Year Annual Research Report
血管腫・血管奇形の新しい診断方法の確立と治療への応用
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21791821
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
栗林 亜実 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00431932)
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Keywords | 血管奇形 / MRI / dynamic MRI / 頭頚部 |
Research Abstract |
血管奇形は頭頚部に好発し、その組織学的所見によって毛細血管、リンパ管、静脈、動静脈奇形および種々の混合型に分けられる。臨床的には治療方針上、その血行動態に影響の大きい動脈の関与の有無によりlow-flow typeまたはhigh-flow typeに分けられる。現在血管奇形の治療方法としては様々な方法があるが、low-flow typeでは硬化療法が最も低侵襲で効果があるとされている。一方血流が速いhigh-flow typeでは硬化剤が病変部にとどまらないため、硬化療法はあまり適していない。このため血管奇形の血行動態を評価する事は治療方針の決定上重要であり、今回の研究の目的はdynamic MRIおよび拡散強調画像が血管奇形のhigh-flow typeとlow-flow typeの鑑別に有用であるかどうかを評価する事である。 研究成果 頭頚部の血管奇形が疑われた20患者にMRIを施行した。20症例中19症例は手術を行い、病理医によって血管奇形の診断および組織学的分類が行った。また1例は血管造影によりAVMと診断された。MRIはT1-weighted image(T1WI)、T2WI(脂肪抑制)、造影T1WI(脂肪抑制)、およびdynamic MRIを行った。Time-signal intensity curves(TICs)によってtime of peak enhancement(T_<peak>)を求めた。MRIの所見と血管奇形の組織型とを比較し、評価した。動脈を含むhigh-flow lesion(AVM)はDCE-MRIにおいて急増型の増強効果を示した。18例中15例のlow-flow lesionは漸増型であったが、他の3例はAVMと同じように急増型を示した。 今回の結果からdynamic MRIによって頭頚部血管奇形の組織型を非侵襲的に評価することができた。この事は手術方針を計画する上で役立ち、臨床的に意義のある結果となった。
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