2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯科用コーンビームX線CT(CBCT)におけるCT値付与アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
21791822
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島本 博彰 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (30448112)
|
Keywords | MDCT / CBCT / CT値 |
Research Abstract |
前年度の実験結果から、CBCT画像では撮影時の管電圧、管電流、FOVによって輝度値が大きく変化することがわかった。本年度は、CBCT装置における被写体の体軸方向の位置付けの違い、および同一スライス内での位置の違いによって、被写体の輝度値が変化するかについて検討した。 CBCT装置Alphard VEGA(朝日レントゲン工業株式会社)を用い、CATPHAN500(米国/IRIS社)を同一の管電圧、管電流、FOVにて撮影した。CATPHAN500のうち、CTP401(空気、ポリエチレン、テフロン、アクリルの4種のCT値が既知であるCT値測定用ファントム)とCTP486(均質性評価用ファントム)を用いた。ファントムの中心と照射野の中心の位置が一致する高さを0とし、照射野を体軸方向に上下2cmごとに移動させて撮影し、得られたCBCT画像にRO1を置いて輝度値を計測した。 その結果、CTP401の各マテリアルの輝度値は、体軸方向の位置付けの違いによって輝度値が変化した。これはCBCT装置の大きなコーン角により、照射野の辺縁部と中心部とでは焦点被写体間距離が大きく異なるため、その結果X線の強度が両者で異なり、体軸方向の位置付けの違いによって輝度値が変化したと考えられた。さらに、大きなコーン角のために特に照射野の辺縁部ではFPDに対して垂直にX線が入射せず、断層画像の再構成時に補正を行うため、それによる影響も考えられた.また、CTP486より得られた同一スライス面での輝度値は中心で有意に低く、ビームハードニング効果や装置の画像構成アルゴリズムに起因すると考えられた。 今回の結果より、CBCTでは被写体の撮影する位置によっても輝度値が大きく変化することがわかった。
|
Research Products
(3 results)