2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯科用コーンビームX線CT(CBCT)におけるCT値付与アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
21791822
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島本 博彰 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (30448112)
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Keywords | MDCT / CBCT / CT値 |
Research Abstract |
前年度までの実験結果から、同一撮像条件ではCBCT画像の輝度値はMDCT画像の輝度値よりも低いことがわかった。また、CBCT画像では撮影時の管電圧、管電流、選択されるFOV、さらにはFOV内での被写体の撮影位置によっても輝度値が大きく変化することがわかった。 CBCT画像のこのような傾向は、CBCTでは空気や水を用いてのキャリブレーションを行わないこと、CBCT装置特有の散乱X線補正や、FOV外への被写体のはみだし等が影響していると考えられる。FOV内での被写体の撮影位置による輝度値の変化に関しては、被写体の体軸方向の位置づけの違いと同一平面内での位置づけの違いで原因が異なると思われる。まず、被写体の体軸方向の位置づけの違いによる輝度値の変化についてはコーン角による影響が考えられる。CBCT装置の大きなコーン角により、照射野の辺縁部と中心部とでは焦点被写体間距離が大きく異なるため、その結果X線の強度が両者で異なり、被写体の体軸方向の位置づけの違いによって輝度値が変化したと考えられた。加えて大きなコーン角は照射体積が増加することにつながり、結果として散乱線が増加するため輝度値をさらに不正確にすると考えられる。FPD前面にグリッドを挿入すれば散乱線が除去できる可能性があるが、現時点では実現に至っていない。また、X線管球が縦置きであるならば、体軸方向に対するヒール効果の影響も考える必要があるが、今回研究に使用した機種ではX線管球は横置きであり、ヒール効果の影響はないと考える。被写体の同一平面内での位置づけの違いによる輝度値の変化についてはビームハードニング効果や装置の画像構成アルゴリズムに起因すると考えられた。今後も引き続きCBCT装置の補正法や画像再構成アルゴリズム、FPDの改良等を製造業者と共に進めていく。
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Research Products
(3 results)