2010 Fiscal Year Annual Research Report
p53機能喪失がん細胞特異的なアポトーシス誘導経路の解明
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21791823
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
飛梅 圭 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40350037)
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Keywords | がん / p53 / アポトーシス |
Research Abstract |
p53依存性アポトーシスは、がん化ストレスに対する抵抗策の要である。申請者は、p53機能を喪失したがん細胞も、依然として様々なストレス応答性のアポトーシスを実行できることに着目しp53欠損がん細胞株を用いてp53非依存的アポトーシス誘導の分子機構を検索した。昨年度は、p53欠損口腔がん細胞株においてp63をノックダウンすると、FoxO-Bim経路が活性化しアポトーシスが誘導されることを見出した。昨年度の成果を発展させることで得られた本年度の成果を以下に挙げる。 1 p53機能欠損口腔がん細胞株においてp63ノックダウンはp53非依存的アポトーシスを誘導したが、それを回避して浸潤能を獲得していた集団を見出した。 2 高浸潤能獲得にかかわる遺伝子群はp53非依存的アポトーシスに抵抗性/感受性を付与する可能性があるため、発現解析を行い、複数分子を候補として同定した。 3 2で同定した分泌タンパクcyr61をp53機能欠損口腔がん細胞株に導入したところ、p63ノックダウンに伴うアポトーシスが回避されるのみならず、浸潤能亢進が認められた。 これら成果より、p53機能喪失がん細胞に特異的なアポトーシス誘導経路はcyr61等の外的因子により抑制が可能であり、がん浸潤能の制御にも関与することが示唆された。
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