2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791825
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高木 幸則 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30295084)
|
Keywords | メタボリック症候群 / 耳下腺 / 脂質異常症 / MRI / US / シェーグレン症候群 |
Research Abstract |
耳下腺という組織は元来、脂肪組織が豊富な臓器であり、加齢や放射線照射、また、シェーグレン症候群などの疾患により、内部の脂肪化が進行することが知られている。従って、メタボリック症候群においても、脂肪肝などと同じように、内蔵脂肪が反映される臓器の一つとして耳下腺を捉えることができるのではないかとの仮説を立て、本研究の検証を進めた。 当院、口腔乾燥症外来を受診した患者で、メタボリック症候群の診断基準を満たした患者群のうち、特に脂質異常症を有する患者においてMRIで次のような特徴的変化を認めた。脂質異常症患者では、健常者と比較し、耳下腺の腫大が見られ、MRIのT1強調像において、同部の均一な信号上昇を認めた。脂肪抑制撮像を併用したT2強調像では、その信号が抑制された。これらの結果より、当初われわれの予想した通り、メタボリック症候群患者では肝臓などと同様に、耳下腺でも脂肪変性あるいは沈着が亢進していると考えられた。 今後更に症例数を増やし、また、他の画像検査、特に超音波画像検査(US)などの所見を併せた上で、耳下腺への脂肪沈着の客観的評価方法の確立を試みる予定である。また、メタボリック症候群と耳下腺への脂肪沈着との関連、耳下腺への脂肪沈着と血清脂質(中性脂肪やHDLコレステロール、LDLコレステロール値)や唾液分泌量との関連について、統計学的解析を行う予定である。併せて耳下腺唾液中の脂質分析も検討を加えたい。
|