2010 Fiscal Year Annual Research Report
Wnt5aを標的とした悪性黒色腫の新規骨転移治療薬開発研究
Project/Area Number |
21791830
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鍵谷 忠慶 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (30405774)
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Keywords | マイクロアレイ / シグナル伝達 / 癌 / 歯学 / 病理学 / microRNA / 破骨細胞 |
Research Abstract |
悪性黒色腫が骨へ転移する際、破骨細胞が多数形成されて、骨が浸食される。そこで、平成22年度は破骨細胞の分化・形成についてmicroRNA(miRNA)に注目して研究した。miRNAは、約21ntのnon-coding RNAの一種であり、主にmRNAの3'UTR領域に結合し、タンパク質への翻訳抑制やmRNAの分解を誘導することで、各種生命現象を調節していると考えられている。 本研究では、マウスマクロファージ細胞株RAW264.7へRANKLを作用させて、破骨細胞へ分化させる系を用いて解析した。50ng/mlのRANKLを作用させてから0,24,82時間後にsmall RNAを含むtotal RNAを回収し、c-fos, Nfatcl, Trap等の破骨細胞分化関連遺伝子の発現をPCRで定量し、使用した細胞株の性質を調べると同時に、マイクロアレイ解析によって、成熟miRNAの発現変動を調べた。また、Target ScanによってmiRNAの標的遺伝子を予測した。RANKLによって2倍以上変動した成熟miRNAは52種類あり、このうちmiR-210やmiR-378等は、破骨細胞分化に伴ってその発現が増加し、miR-223やmiR-342-3p等は減少を示した。またmiR-342-3pは、破骨細胞分化にとって重要なTrapとMitfを標的遺伝子としている可能性が予測された。これらのことから、miRNAは破骨細胞の分化に重要な役割を担っている可能性が考えられる。
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Research Products
(6 results)